学術研究・レジデンシャルケアで活動的な生活を維持
イギリスのレジデンシャルケア施設を対象したKARE*プロジェクトは、レジデンシャル・ケアを利用するフレイル(虚弱)な高齢者やフレイル予備軍を対象に、レジスタンストレーニングが高齢者の健康状態に与える多面的な影響を評価するために計画されました。
この研究には、73~95歳のフレイル11名とフレイル予備軍の11名が参加しました。
参加者は、ケアホームのラウンジに設置された5台のHURスマートタッチ・レジスタンス・マシンを使ったグループ・エクササイズ・セッションに週3回、6週間の間実行しました。
参加者は全員、運動介入前後に一連の包括的なテストを行いました。この研究では、参加者の筋力、機能的能力が測定され、血液サンプルが分析され、心理的、感情的、認知的健康、そして、社会的支援の尺度が評価されました。介入期間中には、インタビューとディスカッショングループも実施されました。
6週間の運動介入後、フレイル群では、歩行速度、筋力、機能的能力、虚弱度において臨床的に意味のある差が認められました。
この研究の参加者は運動介入後より安定し、自信を持ち、能力を発揮できるようになったと話しています。また、グループセッションに参加したり、テクノロジーを使った新しいスキルを身につけ、より自立していると感じたと話しています。
フレイル予備軍のグループでは、特に精神衛生上の利点に関して肯定的なフィードバックがありました。参加者は、人生に対する見通しが良くなり、活力が増し、自信がついたと話しています。参加者の方々は、トレーニング機器や、そのテクノロジーについて明確かつ熱心にいろいろなフィードバックを与えてくれました。
ケアホームは、試験終了後もアクティブ・エイジングを支援し続けるために、トレーニング機器の一部を購入しました。
「これは私たちにとって、野心的でかつ課題の多いプロジェクトでした。しかし、HURと協力することで、機器からトレーニング、サポートに至るまで、あらゆることが可能になりました。研究者、介護スタッフ、参加者にとって素晴らしい経験となり、レジスタンストレーニングは、年齢に関係なく健康と生活の質を改善することができることを明確に示しました。」と、主任研究者であるブリジット・スワレスさんは話しています。
*KARE= Keeping Active in Residential Elderly (レジデンシャルケアで活動的な生活を維持)
研究論文
Swales, B., Ryde, G. C., & Whittaker, A. C. (2021). A Randomized Controlled Feasibility Trial Evaluating a Resistance Training Intervention with Frail Older Adults in Residential Care: The Keeping Active in Residential Elderly Trial. Journal of Aging and Physical Activity, 30(3), 364-388.
Swales, B., Ryde, G. C., & Whittaker, A. C. (revisions under review). A Mixed Methods Feasibility Study of Machine-Based Resistance Training with Pre-Frail Older Adults in Residential Care: The KARE-II Trial.